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世帯当たり/1人当たりの支出の推移がある分析シート「品目別消費支出予測シート/DB」
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1.消費支出の推移と予測
1-1 総支出予測
下のグラフは総務省「家計調査」(二人以上世帯)の調査結果の推移から、2020年までの予測値を推算した結果であり、予測については、過去の数値のうち直近の推移を重視したシミュレーションである。
世帯当たり(世帯全体)の年間消費支出は2014年が349万4,322円で、2020年までは微増の推移となり、353万6,090円(CAGR 0.2%増)となる見込みである。この間、世帯の人員数も減少傾向となるので、1人当たりの消費額は、2020年で117万5,700円となる。
2011年から2014年の3年間の消費支出のCAGRは1.0%であるが、2015年以降、伸び率、下降率ともに前述のような計算となっているので、状況によってはこれを超えた上昇や下降となる可能性がある。また、年により増減を繰り返し予測値のようにフラットな推移とならない場合もあり、その増減の中間の値が推計値であると理解されたい。
消費額に影響を及ぼす要素としては、人口や年代構成比の変化、消費者の給与、その時々の小さな流行など様々である。今後、消費支出に影響を及ぼす要因の中で大きいものは、食品をはじめとした原材料費の上昇による販売価格への転嫁であり、消費支出額の推移を押し上げる可能性がある。
【消費支出総額の推移と予測】
2-1 主要消費支出の予測
下のグラフと表は、主要な消費支出の平均成長率の推移を表している。グラフはプラス成長とマイナス成長の比率をわかりやすくするために積上げグラフで表現してある。
2008年から2011年にかけてのCAGRは住居費、家具・家事用品、保健医療を除き、すべてがマイナス推移だった。2011年から2014年にかけては回復し、住居費における不動産賃料の低下と少子化の影響が大きい教育関係の支出以外はプラス推移という結果となった。
【主要消費支出別 平均成長率の推移と予測(2014年〜2020年)】
【主要消費の推移と予測(1)】
【主要消費の推移と予測(2)】
これらの支出の推移の結果、主要消費支出の構成比は以下のグラフのように変化しており、その延長線である2020年は、食料の支出が全体の26.3%に達する見込みである。
住居費は2014年まで構成比を高めてきたが、2015年以降も家賃等の下落が続けば、2020年までに構成比を0.1ポイント下げることになる。構成比を高める主要な支出としては、光熱・水道と交通・通信があり、前者は利用料金等の値上げ、後者は携帯電話の通信費の上昇が増加要因となる。
【主要消費支出の構成比推移と予測】
【主要消費支出の構成比推移 構成比(ポイント)増減】
2.品目別消費支出の予測
2-1 食費
以下のグラフは食費全体の支出推移と予測値を示している。肉類、乳卵類、菓子類、飲料、油脂・調味料、調理食品、外食などが伸長する。ただし、世帯1人当たりの数値であり、価格の上昇分が含まれる点は注意を要する。また二人世帯の数値であり、単身者を含めると異なる推移になる。
【食費全体の消費支出と予測(世帯1人当たり)】
以下は単身世帯の2014年までの食費に関わる支出の集計結果である。例えば、34歳以下の女性では外食費の支出が微増の傾向もうかがえるが、34歳以下の男性や単身世帯全体での外食費支出の明確な伸長は認められない。
【単身世帯の食費推移(月額)】
<男性 単身 全年齢>
<女性 単身 全年齢>
【34歳以下 単身世帯の食費推移(月額)】
<34歳以下 単身 男性>
<34歳以下 単身 女性>
2010年以降、支出金額ベースでパンと米の支出は拮抗し2013年までほぼ同位で推移してきたが、2014年を迎え米の支出がやや落ち幅を広めた。そのため、パンの支出が米を完全に抜くことになり、2015年以降もこのままだと米とパンの消費支出の差は徐々に広がることになる。
下右グラフは数量の推移を示している。めん類がほぼ横ばいから微減、米はゆるやかな減少となり、パンのみが微増となる予測である。
米の支出額の減少が大きく、結果として穀類全体の支出額が減る可能性が大きい。
外食や調理食品も含め、食のバリエーションは多様化している。穀類の中でもパン類は食パン以外の「他のパン」が増え、麺類も即席めん・カップめんを合わせれば選択の幅が広がった。めん類、パン類を夕食の主食にする機会も増えていると見られ、米以外の主食が食卓に上る機会が増していると考えられる。
米自体は調理方法により、炊き込みご飯や炒めたライスなど変化をつけることが可能だが、和食離れや調理の手間を厭う消費者が増えたと推定され、チャーハンやオムライスなど定番を除けば、「米=白米」という単一的な調理が多いと考えられる。米は老若男女問わず、日本人ならほとんどの人がもっとも好きな主食のはずで、米の価値が落ちたというより、食の種類が増えたことで、短中期的には選択される率が落ちていると考えるのが適切である。
女性や高齢者の就業率の上昇で、食品は手間のかからないもの、支出の無駄を減らすために保存性の高いものが求められる傾向がある。パン類や調理食品は買ったままで食べることができ、一方、米は炊く必要がある。さらに炊いてしまうと食感や味の落ちが意外と早い。若い世代の洋食に慣れた食生活は子供に受け継がれるため、長期的には「即席優位」「保存性重視」「洋食化」で米に不利な状況が強まると予測できる。
【穀類の消費支出と予測(世帯1人当たり)】
<金額> <数量>
<穀類全体 金額>
「即席優位」「保存性重視」「洋食化」は米の支出減という問題にとどまらない。価格の上昇もあるが、調理や後片付けの手間で魚介類の消費も減っている。米は肉にも魚にも合う主食だが、やはり魚との組み合わせが米の味を引き立てるだろう。米の消費が減ることで、魚介類の消費も落ちる危険性を指摘できる。一方、魚介類を食べなくなることで、肉を副食にし、パンやパスタが主食に選ばれる率も高まることになる。
下の表は米の支出と他の食材の支出との相関を表している。「給与が減れば消費が減る」というような明確な関係ではなく、偶然のタイミングで双方の支出の増減が合えば相関係数は高い値になるため、米と魚介類の関係性を決定づけるものではない。しかし、両者が似た数値の軌跡で消費を減らしているのは確かである。新鮮な魚介類が安く出回った年は、米の消費も同時に増えるような関係もあったと考えられる。
魚介類のみならず、しいたけ類、豆類、さといもなど煮物や和食に使われる野菜類、出しに使われる食材も、米の消費減退とともに支出を下降させる危険性が高い。和食が世界遺産に登録されたが、将来、和食用の食材を供給する農家が減るようなことがあってはならないと言えるだろう。
【米と他の食料消費支出との相関】
※正の相関「片方が増える(減ると)ともう片方も増える(減る)
負の相関「片方が増える(減ると)ともう片方は減る(増える)
下の表は、同じものをパンとの相関で見ている。穀類ではスパゲティ、小麦粉、肉類、バターやチーズとの相関が高い。
これらはパン食と同じ軌跡で消費の数値を上昇させている品目である。
【パンと他の食料消費支出との相関】
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2-2 住宅関連
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2-3 耐久財・家具・装飾品等
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■一般家具・室内装備・装飾品・寝具・家事雑貨の消費支出と予測
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2-4 家事用消耗品・サービス
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2-5 被服関連
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2-6 保健医療
■保健医療(医薬品、保健医療機器・器具、健康保持用摂取品、保健医療サービス)の消費支出と予測
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2-7 交通・自動車・通信費
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2-8 教育・教養娯楽
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2-9 理美容
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2-10 身の回り品
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