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見出しBUSINESS & MARKET REPORTS

2014年8月12日

印刷会社の社名の今後

印刷会社の社名について調査/「〜印刷」と印刷という文字が入る会社が50%超

―― 社名から業種がわかる会社 ――

 会社名を見れば業種がわかり、サービスの内容が頭に浮かぶ会社は多い。印刷業もその一つだろう。

 印刷(Print)以外の電子メディアの作成やマーケティング支援などによるサービス売上高は、現在でも総売上高に占める率で見ればまだまだ低い。電子媒体や印刷付帯サービスの売上が上昇を続けても、今後数年から十数年は、多くの印刷会社で印刷が売上の主体であり続けるだろう。

 それならば、社名の「印刷」という文字は、業態を適確に表しているわけだ。新規営業の際も社名を名乗れば、すぐに印刷関係の担当者に会えるかもしれない。

 下の表は約5,000社の印刷会社について、弊社で社名を調べた結果である。
「・・シール印刷」や「・・フォーム印刷」も「〜印刷」としてカウントされているので、社名に「印刷」という文字が入る会社が50%を超える結果となった。



Source: 潟uレイン・リサーチ&マーケティング
業界団体リスト等で社名の判明した会社で調査集計。
注:例えば「〇〇シール印刷」「〇〇フォーム印刷」と社名にある場合は「印刷」にカウントされている。


―― 社名から「印刷」という文字が消える?――

 過去にも、社名の「印刷」という文字の扱いについて論じられたことがあった。しかし大きな潮流にはならず、大手や準大手が社名に「印刷」の文字を存続させたことから、業界全体がそれに準じてきたのかもしれない。

 すでに知名度を得て、ブランドを確立している大手や準大手はそれで問題はないだろう。では、中堅クラスの印刷会社はどうなのだろうか。

 小さな会社ほど、資源を集中させるために商材やサービスを絞るのは経営の鉄則である。その上で、他社との差別化を図る。ある印刷会社が技術やサービスで同業と差別化できたとしよう。それをどう伝えるか。
 既存の取引先なら理解も早いだろうが、まったくその会社を知らない相手だったら、果たしてすぐに納得していただくことができるだろうか。

 次のグラフは、同し結果を会社の規模別に集計したものである。
「印刷を連想させる文字なし」については、それがそのままソリューションベンダーのような横文字の社名を意味しているわけではなく、「〜堂」など漢字三文字や「〜産業」など様々ある。

 ただ、小規模な印刷会社ほど、印刷会社であることを明確にした示した社名が多いと言えるだろう。地場の顧客や元請から印刷の仕事を引き受けてきた経緯からかもしれない。電話帳に掲載するなら、そういう社名の方が伝わりやすかったこともあったのだろう。



―― 今後の競合相手を考えてみると ――

 印刷会社も電子化やマーケティング、あるいはBPOBusiness Process Outsourcing) 業務などを受注していく上では、IT会社や専門サービス会社、広告代理店やマーケティング会社との競合が避けられない。その時、発注者側にとって社名やその会社のイメージがどう映り、受注競争に影響するのか。

 下のグラフは大都市圏とその他地域別に、同じものを集計した結果である。大都市圏では「〜印刷」という社名の会社が少ない。地方の方が広告代理業から印刷まで多角的に手掛ける印刷会社が多く、都市圏ほど下請け・元請の分業が根強いと言われている。とはいえ、大都市圏の方が新しい考えやそれを社名に表した会社が、他の地域より多くても不思議ではないだろう。


 次のグラフは、同じものに都道府県別の印刷出荷額のCAGR(工業統計 平成14年から平成24年の10年間の年平均成長率)を、折れ線グラフで重ねたものである。

 ほとんどの都府県がマイナス成長であることがわかる。向かって左側ほどマイナス度が強く、東京都や大阪府など大都市を多く含んだ都府県が挙がっている。都市部ほど競合が激しく単価の下落が大きいこと、内製化率や電子化率の高い顧客企業が多いことなどが背景としてありうる。

 そして「印刷を連想させる文字なし」と印刷出荷額のグラフは、概ね反比例の動きを示している。この両者のグラフの動きに注目してみたい。


 以下のグラフは都道府県別の全事業所(印刷業を除く)と印刷出荷額のCAGR(黄色の点線)と、印刷業の社名(印刷を連想させる文字なし)の回答率を比較したものである。精度の観点からサンプル数の多い都道府県のみを集計した。

 グラフの右に向かって全事業所の多い都道府県が並んでいる(赤茶色の実線)。これに比例して「印刷を連想させる文字なし」の率(青色の点線)が高まることがわかる。一方で、顧客となる全事業所が多いにも関わらず、印刷出荷額のCAGR(黄色い点線)は高まるどころか、むしろ下降気味である。双方とも相関値で見ても、全事業所数との間いに、比較的強い正の相関と弱い負の相関があった。



 まとめると、以下のような仮説が成り立つ。

@全事業所(印刷業以外)の集中する都市圏ほど受注競争が厳しく、それによる単価下落があり、印刷出荷額を減らす一つの要因になっている。

A全事業所の集中する都市圏ほど、複合的(印刷業とそれ以外の業務まで)な企業が多く、それが社名に反映されていたり、社名に工夫をこらしている印刷会社が多い傾向がある。

 「受注の厳しい地域ほど、事業内容や”社名”に個性や工夫が必要」

 という見方ができるのではないだろうか。

 次のグラフは同様に、工業統計と経済センサス調査の平成24年版からの集計である。印刷業を除く全事業所と印刷業の事業所を、「全事業所÷印刷事業所数=印刷業1事業所当たりの他業種の事業所数」で比較した結果である。一つの印刷事業所が何件まで他の事業所(顧客)を持つことができるかの数字だと、理解していただいても良い。

 グラフからもわかるとおり、都市部ほど印刷業1事業所当たりの全事業所(=顧客になる事業所)の数が小さくなる傾向がある。顧客の多い地域ほど印刷会社の集中度も高く、それだけ競争が厳しいことを物語っている
参考グラフ1

 また印刷業も、従業者規模で見ると大企業から小規模企業まであるが、各地域でその規模別の分布に大きな違いはない。大都市圏とはいえ小さな会社の集合体でもあり、それに対応するように印刷会社も、小企業から大企業まで存在していることになる。印刷業の1事業当たりの従業者を都道府県別に見るとそれがわかる
参考グラフ2。地域別の印刷業の規模の大小のばらつきは大きくはなく、他の事業所が多い地域だから大規模な印刷業が多いというわけではない。
 製品の特性も含め、多くの点で差別化が難しい業種であるとも言える。


――第一印象、そこから受けるイメージ――

 既存顧客の売上減から新規の営業開拓の機会が増えたり、入札に参加せざるを得なくなったりすることが増えるのは必至だ。業務を発注してはじめてその会社の真価がわかるようでは、遅いのである。

「ソリューションの仕事が中心のようですが、本業は?」
「社名からわかりづらくてすみません。印刷が主体でございまして、売上の7割は……」

 建築業も「・・建築」や「・・工務店」など、一目で業種がわかる社名が多い。しかし、消費者や元請会社へ建築の技術や信頼感をアピールすれば済むのとは異なり、印刷業は対事業所サービスで、今後はソリューションを切り口にした提案が求められるようになる。印刷以外の様々な業務にトライしなければならないのだ。

 プレゼンテーションの席で、先の会話のようなやり取りが、近い将来増えるかもしれない。

※本レポートは、弊社マーケティングレポート制作上の仮説構築のためのデータ分析や入手情報、途中経過を
   報告しているものです。

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